三角ロジック
三角ロジックとは
三角ロジックとは、主張、データ、理由づけの3つから構成されています。
土台となる事実と理由づけは根拠となります。
そのため、根拠が足りないという場合は、どちらかが欠けていたり、両方足りないことが多いです。
結論は初めか、最後か
結論は始めに述べてしまうか、最後に「つまり」につなげて述べます。
「つまり」は非常に便利な言い方で、聞いている相手も、結論が言われるタイミングを認識しやすいです。
理由づけは丁寧に
理由づけを丁寧にすることで、相手が受ける印象も全く異なります。
例えば、電車が発着するときに、
「黄色い線より、お下りくさい」と言われますが、その理由を、「危ないから」と言えば、相手は「知っているよ」と返すことでしょう。
しかし、それだけでなく、
「ドアに人や物が挟まっていないか確認できません」と言われれば、相手は「知らなかった。気をつけよう」となるかもしれません。
このように相手により共感してもらえるように、丁寧に理由づけする必要があります。
理由づけが変われば、主張が変わる可能性がある
事実が同じ場合でも、理由づけが変わることで、主張が異なることがあります。
例えば、とある靴メーカーが、とある島に靴を広めようと、マーケターを2人派遣します。
そこの島には、「靴を誰も履いていない」という事実があったとします。
Aさんは「習慣や文化は変わるため、市場として有望です」と報告し、
Bさんは「習慣や文化は変わらないため、市場にならない」と報告しました。
このように、事実が同じ場合でも、理由づけが変わることで、主張が異なることがあります。
逆に言えば、主張が逆の時には、理由づけを比較すると、その原因がわかるかもしれません。
話の目的を最初にはっきりさせる
話をする前に、今から話す内容がどれほどの重要度であるのかを相手に知らせておけば、相手も構えることができます。
単なる情報提供であれば、「どうでもよい話だけど」と最初に伝えましょう。
必要な情報であれば、大切であると思った理由づけと一緒に伝えてください。
複雑な説明には三角ロジックを階層化する
複雑な説明には、三角ロジックの事実や理由づけの下にさらに、三角ロジックを付け加えると良いでしょう。
このような形は非常に複雑に見えますが、慣れてこの形を意識して説明することができたら、とてもかっこいいですね。
自問自答で反論に備える
自分の意見が論破されないためには、自問自答して矛盾点や不備に気づくことが必要です。
この際に、頭の中でイメージするだけでなく、書き出しておくことが有効です。
三角ロジック→三段論法に
三段論法とは、「大前提」「前提」「結論」の3つに区切って強固に主張する方法。
大前提で、「AはBである」
前提で、「BはCである」
と言うことができたら、自動的に「AはCである」と言う結論が出ます。
例えば、少子化の原因として、
大前提で、「共働きでは保育園に子どもを預ける必要がある」
前提で、「保育園等の子どもの預け入れ先が足りない」
結論として、「子どもは持てない」
と言うような三段論法の活用事例があります。
リンクマップ
リンクマップとは
リンクマップとは、三角ロジックとは異なり、どんどん関連するものをつなげていって、説明するロジックになります。
マップは途中で分岐したり、合体したりします。
同じキーワードを使う
高速道路など全ての有料道路を無料化
無料だと、気軽に利用できる
気軽に、遠方への旅行も行きやすい
行きやすくなった分だけ、旅行の回数が増加
経済が活性化する
このように同じキーワードをつなげることで、わかりやすく説明することができます。
話が分かりづらいところはキーワードに注目
話が分かりづらい時には、説明に飛躍があることが多いです。しかし、自分で説明していると飛躍していることに気が付きづらいです。
飛躍を探す秘訣は、
キーワードが連続しているかに着目することです。
いきなりネットで調べない
どんなテーマでも、最初にインターネットで情報収集から初めてはいけません。
情報収集から始めると、争点を見つけたり、検証したりすることがむしろ難しくなります。
まずは、争点を見つけてから、それを検証するために、インターネットを用いた方が良さそうです。
筋道に三角ロジックを追加するのもあり
A→B→C→D のリンクマップの途中で、三角ロジックを加えることもできます。
リンクマップに三角ロジックを追加することで、根拠を加えるのも良いテクニックです。
普段、無意識にもおこなっていることがあるかもしれませんが、より説得力のある説明ができるかもしれません。
ゴールから逆向きに考える
私たちは、何か方法を考える時には、無意識のうちに経験や知識をもとに考えてしまいがちです。しかし、経験や知識などを棚上げして、ゴールから発想していきます。
例えば、新事業でうまくいく方法を考えます。
最初にゴールを定め、それを「実現していく方法」を積み上げていくのです。
目標を決める
解決策を考える
なぜ、その解決策が実行できないか?
どうすれば実行可能か?
Step3とStep4をStep4で実行可能になるまで、繰り返します。
このように考えることで、結論から考えて、一つずつステップを積み上げていくことが可能です。
相手への依頼の際に気をつけること
相手への依頼内容は事前に整理する
ごちゃごちゃした状態で、相手に依頼するのは避けたいです。
そこで、以下のように、ゴールと依頼内容を依頼前に書き出しておくことが良いです。
- 最終的なゴールはどうなっていれば良いのか。
- ゴールを実現するために、相手に理解してもらわなければならないことは何か。いくつあるか。その順番は?
- 自分1人ではできず、協力が必要なこと。
喜んで動いてもらう
人から指示されるだけでは、受け身になってしまいます。
しかし、納得と共感があれば、自発的な行動が生まれます。
そこで、自発的に動いてもらうためには、「理解→納得→共感→行動」のステップを踏む必要がああります。
このステップを意識して、相手に寄り添ってみることがおすすめです。
3つの理解
人を動かすには、次の3つの理解があります。
- 根拠の理解(理論・理由)
- 事例の理解(エピソード・例え話・比喩)
- 手順の理解(方法・動作・作法)
これからいらすることについて、これら「3つの理解」を考えてみてください。
根拠を言葉にして伝える
経験則でも、なぜかを人に伝えるべきです。
具体的には、その経験則に至った背景や経緯、その経験則を生み出した過去の成功体験などを伝えるのです。根拠に事例を加えるとさらに分かりやすくなります。
経験則は、本人にとっては当たり前のことなので、根拠を言葉にしづらいかもしれませんが、書き出して整理してください。
暗黙知→形式知へ
経験則のような経験によって習得した知識やコツは、暗黙知と呼ばれ、言葉で整理された知識やコツは形式知と呼ばれます。
暗黙知を客観的に数値化などを用いて、形式知にすることで、効率よく方法を伝えることができます。
手順を伝える
根拠や事例がわかっても、手順を知らないと行動できません。
相手が教えてもらってすぐに取り掛かれるように、手順を用意しておきましょう。
相手が知りたいことから話す
コミュニケーション応用編
オープンエンドとクローズエンドで質問を使い分ける
オープンエンドの質問とは、HOWやWHYなどの、「はい」「いいえ」で答えない質問のことです。
クローズエンドの質問とは、「はい」「いいえ」で答えて終わる質問のことです。
話をつなげたい時には、オープンエンドな質問をするべきですし、これらをうまく使い分ける必要があります。目的を考えて、質問を使い分けましょう。
何が得られるかを伝える
商品やサービスを宣伝する時には、それによって何が、どうしてよくなるかを相手の視点で説明します。
そもそも興味のある人やリピータには、Let’s〜(〜しよう)でいのですが、そうでない限り、相手に刺さるメッセージを考える必要があります。特に、相手が得られるもの、メリットを記すべきです。
相手のベネフィットを考え、説明しましょう。
話す前に要約文を書く
まず、話すことをまとめるために、要約文を書いて、整理しましょう。
これは30秒ほどで読める内容でまとめ、以下のように、目的と要約のパートに分けて、記します。
目的パート
現状 (and/or) 背景
問題点(and/or)必要性
目的
要約パート
結論 or 要約文
重要な情報A, B, C, …
4つの質問でニーズをつかむ
- 現状質問 現状評価を聞く。ニーズを知る。
- 問題質問 今の問題を聞く。問題を明確に捉える。
- 示唆質問 案を提案する。対策を明確にする。
- 解決質問 AとBではどちらがいいかなど。対策を選んでもらう。
4つの質問に即して、不足している情報がないか考えてみましょう。
比較して説明する
商品やサービスの説明時には、長すぎる情報を話すことは極力避けたいです。その際、比較的優位性、つまり、他社の製品よりも自社の誠意品がいかに優れているかを示すと、判断が楽になるます。
例えば、Quality, Cost, Delivery: QCDなどを使うと、どれが一番良いか選択しやすくなるでしょう。
相手の後ろにどんな決裁者がいるかを確認
相手の後ろにどんな上司がいるかで、与える情報を調整し、相手が上司と相談しやすいようにできると良いです。
例えば、相手の後ろの上司が、コストを重視する人であれば、コストの面を詳しく説明したり、比較的優位性を持たせたりすると良いでしょう。
相手が話そうとしたら待つ
話をしたいと思っている人は、他人の話を聞いていないため、自分が話したいことは後回しにしましょう。
相手が発言しようとしている時は、先に話させて、後に回った方が、あなたの話をより理解してもらいやすくなります。
自分が喋っている際に、相手が何か質問しようとしたら、自分の話を止めて、相手の質問を聞きましょう。
相手のわかりやすいレベルを考える
基本ではあるが、詳しすぎや簡単すぎな説明はいけない。
自分が話す時には、ついいい気になって難しい説明や詳しすぎる説明をしてしまうことがあるが、それでいいことはない。
詳しさと簡単さのバランスを相手によって考える必要がある。
始めに大きなポイントに絞る
「大切なポイントは13個あります」なんて言われても、全部覚えられるはずがないし、一つ一つの重要度も下がってしまうでしょう。
そのため、ポイントは3つほどに絞って話す方が効果的です。そして、細かい説明で、元々のポイントを説明すれば良いのです。
タイトルの付け方に注意
タイトルが変われば、みている人に及ぼす印象が大きく変わるほど、タイトルは重要です。
タイトルには、手段、トピック、目的を入れると良いです。
例えば、「セキュリティについて」というタイトルよりも、
「暗号化による個人情報のセキュリティ強化」というタイトルの方が一度で内容がわかりやすいです。
要約文を段落の先頭に持ってくる
キーワードを主語にして、段落の先頭に一文で要約します。そうすることで、2文目以降は読まなくても趣旨が理解できます。
作文や文学であれば、結論から書かなくて良いのですが、ビジネスの文ではいかにわかりやすい文章にするかが非常に大切です。
まず初めに、キーワードを用いて、要約文を一文で書くようにしましょう。
冗長な表現をしない
近くに新たなお店を出すという案は潰れた→近くに新たなお店を出す案は潰れた
同一基準で調査をすることが可能である→同一基準で調査できる
発表させていただきます→発表いたします
検討を行う→検討する
このように変えることで、だいぶ簡潔な表現になります。
日本語の正しい使い方を学ぶ
次のような語句を用いる時には原則、仮名で書く。
- 事・・・許可しないことがある
- 出来る・・・だれでも利用できる
- 通り・・・次のとおりである
- 時・・・事故のときは連絡する
- 他・・・そのほか・特別の場合を除くほか
比喩や図解でイメージさせる
専門的な内容を説明するときは、身近な例に置き換え、図解して説明しましょう。
例えば、メモリを机の広さ
ハードディスクを机の引き出しの多さ
とすると、わかりやすく説明できます。
キーワードを強調する
話を終えたときに、どのようなメモを聞き手が残していれば良いかを考えましょう。
重要なことを言う前に、一拍おく。
ゆっくり話したり、繰り返す。
これらのことを意識してみてください。
単純接触効果
相手の目に触れる機会が増えることで、相手の自分に対する好感度が無意識に上がることを、単純接触効果と呼びます。
従って、これを利用して、大切な会議や決定の前には、何回も挨拶をしておくことで好感度を高くしておきましょう。
人間らしさを出す
人は知らない人に対しては、冷淡になるが、人のプライベートや人間的側面を知ると、好感や親近感をもちます。
従って、ときには人間的な側面を話したり、雑談でプライベートなことを話すのは非常に良いチャンスになるでしょう。
一方的に話すことはせず、質問をする
一方的に話してしまうと、相手の集中力が落ちてきて、寝てしまうなんてこともしばしばあります。
そこで、たまに聞いている側に何かを聞くことで、相手側は集中力が上がります。
しかし、アドリブでこれを行うことは困難です。あらかじめ、どんな質問を誰にするのか準備しておくと良いでしょう。
ポジティブに接する
相手が失敗してしまったときに、責めたり、怒ったりするのは逆効果です。
「惜しかったね」など、ネガティブに責めずに、その上で改善点を指導しましょう。
また、
「こんなミスをするなんて、あなたらしくないね。どうしたの?」
など、期待を添えたメッセージにすることで、さらに相手の意欲につなげることができます。